「初段」は、多くの方にとって最初の大きな目標です。そして、独学で最も止まりやすいのもこの手前です。
この記事では、級位者が有段者になるまでにどこで何が壁になるのかを段階別に整理し、それぞれで何をすべきかを示します。
全体像
| 段階 | 壁の正体 | やるべきこと |
|---|---|---|
| 入門〜15級 | 駒の働きが体感できていない | とにかく指す量を増やす |
| 10級前後 | 負けた理由が分からない | 振り返りの習慣をつける |
| 5級前後 | 終盤で逆転される | 詰将棋・囲いの崩し方 |
| 1級前後 | 本当の課題が自分では見えない | 他者による癖の指摘 |
| 初段〜 | 得意戦法の深さ不足 | 戦法を絞って研究 |
10級の壁:負けた理由が「うっかり」で止まる
最初の停滞です。指す量は足りているのに勝率が変わらない。本人に理由を聞くと、たいてい「うっかりして駒を取られた」と答えます。
ところが実際に棋譜を見ると、うっかりする前の駒組みの段階で、すでに苦しくなっていることがほとんどです。うっかりは結果であって原因ではありません。
ここを抜けるには、他人に棋譜を見てもらうしかありません。自分では原因を取り違えているためです。イエナアカデミーの受講対象が将棋ウォーズ10級程度からなのは、この段階から指導の効果が最も明確に出るからです。
5級の壁:終盤で逆転される
序中盤で優勢を築けるようになった後に来る壁です。「勝っていたのに負けた」が増えます。
対策ははっきりしていて、詰将棋を日課にすることと囲いの崩し方を覚えることです。ここは比較的、独学でも進められる領域です。
1級の壁:課題が自分で見えなくなる
最も厄介な段階です。基本的なことはひととおりできているのに、勝ち切れない。しかも何が足りないのかが自分では分からない。
この段階の課題は、たいてい思考の癖に起因します。決断すべき局面で受けに回る、あるいは逆に無理攻めを選ぶ、といった傾向が固定化している。癖は自分では見えないので、指摘してもらう以外に方法がありません。
AI解析は「その手が悪手だった」ことは教えてくれますが、「なぜあなたがその手を選んだか」は教えてくれません(AI解析を使った上達法)。
初段以降:戦法を絞る
有段者になってからは、広く浅くより、得意戦法を1つ決めて深く掘る方が伸びます。相手の対策を知り、その先まで自分の土俵で戦えるようにする段階です。
さらに上、研修会や奨励会を視野に入れる場合は、練習の設計そのものが変わります。イエナアカデミーは奨励会・研修会志望までを対象としており、星子寿三郎先生は高崎一生七段・都成竜馬七段を輩出した指導者です。この段階の相談ができる場所は多くありません。
どのくらいの期間がかかるか
個人差が非常に大きいので、期間の断言はできません。ただ、止まっている期間の長さは、指導の有無でかなり変わります。とくに10級と1級の壁は、原因の特定が要る性質のものなので、独学だと年単位で停滞することがあります。
よくある質問
詰将棋は何手詰めをやればいいですか
解けるか解けないかのぎりぎりの手数が最も効果的です。すらすら解ける手数を繰り返しても、あまり伸びません。
棋書は読むべきですか
有効ですが、読んだ内容を実戦で試して、うまくいかなかった理由を確認するところまでやらないと定着しません。
大人でも初段になれますか
なれます。持ち時間の長い将棋であれば年齢による不利は小さく、理屈で理解できる分だけ有利な面もあります(大人のオンライン将棋教室)。



