将棋ウォーズ、将棋クエスト、81道場。対局環境はここ10年で劇的に良くなりました。「アプリで十分では?」という疑問は、まったくもっともです。
結論から言うと、ある段階まではアプリだけで伸びます。そして、ある段階で止まります。この記事では、その境目がどこにあるのかを説明します。
アプリだけで伸びる段階
ルールを覚えてから級位者の中盤あたりまでは、対局量がそのまま棋力になります。駒がぶつかったときの感覚、囲いの手順、よく出る形。これらは数をこなせば身につきます。
この時期に教室に通う必要は、必ずしもありません。むしろ、指すことが楽しい状態を保つ方が大事です。
止まる場所は決まっている
多くの方が止まるのは、「指す量は増えているのに勝率が変わらない」という時期です。これは棋力の問題ではなく、構造の問題です。
アプリの対局には、次の3つが存在しません。
- 負けた理由の特定:結果は出ますが、なぜ負けたかは教えてくれません
- 自分の癖の指摘:同じ負け方を繰り返していても、誰も止めてくれません
- 質問への回答:「なぜこの手なのか」を聞ける相手がいません
とくに厄介なのが2つ目です。癖は自分では見えないため、100局指しても100回同じ間違いをすることが起こります。
AI解析があれば足りるのでは?
良い質問です。実際、AIは「その手が悪手だった」ことを教えてくれます。
ただし、AIが教えてくれるのは「何が正解か」であって「なぜあなたがそれを選べなかったか」ではありません。評価値が下がった地点は分かっても、その手を選んでしまった思考の癖までは指摘してくれません。
イエナアカデミーではAI解析を使いますが、あくまで振り返りの材料としてです。中心にあるのは、「なぜその手を選んだのか」を対話しながら整理する時間です(AI解析を使った上達法)。
役割分担で考える
| アプリ | 教わる | |
|---|---|---|
| 対局量 | ◎ いくらでも指せる | △ 回数は限られる |
| 相手の確保 | ◎ 24時間 | — |
| 弱点の特定 | × | ◎ |
| 質問 | × | ◎ |
| 費用 | ◎ 無料〜 | △ 月謝が必要 |
対立するものではなく、量はアプリ、質は指導という補完関係です。どちらかを選ぶ話ではありません。
切り替えの目安
目安は「勝率が変わらない期間が2〜3か月続いたとき」。この状態は知識不足ではないので、動画を見ても本を読んでも抜けにくいのが特徴です。
なお、イエナアカデミーの受講対象は将棋ウォーズ10級程度からです。アプリで指してきた方が、そのまま次の段階に進める設計になっています。
よくある質問
将棋ウォーズの段位と、実際の棋力は同じですか
目安にはなりますが、持ち時間の短い対局が中心のため、じっくり考える将棋とは別の力が測られている面があります。無料相談では棋譜も拝見して判断しています。
アプリをやめる必要はありますか
まったくありません。対局量の確保にアプリは有効です。むしろ、レッスンで指摘された点を意識しながら指す場として使うと効果的です。
AI解析ソフトは自分で用意すべきですか
必須ではありません。レッスンの中で解析を使った振り返りを行います。
1日にどれくらい指せばいいですか
局数より、指した後に振り返る時間があるかどうかの方が影響します。10局指しっぱなしより、3局を丁寧に見返す方が伸びます。
負けが込むと嫌になってしまいます
短い持ち時間で連戦すると、負けが感情的な記憶として残りやすくなります。負けた局を1局だけ選んで見返す習慣に切り替えると、負けが「情報」に変わるため、続けやすくなります。
アプリの棋譜をレッスンに持ち込めますか
はい、そうしていただくのが最も効率的です。直近で負けた対局の棋譜があれば、その日のうちに原因を掘れます。



